石清水八幡宮

山藍を訪ねて

山藍ご案内

山藍は古代、小忌衣の染料であったとされる。藍といっても葉緑素による染色で、
現在思い浮かべる、蓼藍のインディコのブルーとは違っている。
古代使われたという山藍は石清水八幡宮に群生していると随分以前、本で読んでいたので関西にいる間にぜひとも行っておきたい場所だった。夏にはまた関東に戻るので、
6月の梅雨の中休みの一日山藍に会いに行ってきた。
我が家の庭にも今山藍が茂っている。したがって山藍という植物自体を見るのでなく
神事に使われたという、石清水八幡宮とその場に自生する山藍が見たかったのである。

古代織の部屋ゆう
山藍摺りぞめ
山藍たたき染
アンデスの布
正倉院展

私が山藍に関心を持ったのは、単に古代の染織と言うだけでなく、大甕倭文神社について調べているとき、倭文の布は竹や麦の葉によるすり染めという説を読んだからである。

大甕倭文神社の巨石信仰と織を司る倭文部(シドリ)の双方が結びつき、そのような説が生じたのかもしれない。石に葉の汁をつけ、上から布をあて、こするというやり方の摺り染めは
 
陸奥のしのぶ文字すり・・・・と歌に読まれた、あの文字摺りと同じとされる。
 
さてこの山藍という名前から、葉緑素の摺りごろもだけではなく、もっとブルーの色合いが秘められているとして万葉の山藍染めの著者、辻村 喜市氏は山藍の根茎からブルーの色素抽出をされている。
近頃山崎青樹氏も山あいの葉で緑染めをしてその染色方法を古代の染色に重ねるように書いておられたのを何かの本で読んだ記憶がある。そんないろいろな説を少し真似事でもしてかじってみようと思う。

石清水八幡宮
山藍

 石清水八幡宮の鳥居を入ってすぐ高良神社の方へいく男山ハイキングハイキングコースがある山藍はハイキングコースに入ってすぐの川沿いに群生していた。
谷のようになっていて傍には行けないが川から石段までの斜面は見事な山藍。
ハイキングコースに沿って2時間ほど歩いてみると、所々山藍はあるものの これほどまでの郡生はなかった。この山藍って 本来古から自然にこの場所に生えていたのだろうか。
それとも聖なる地と生育に適した環境とを選び、ここに栽培されたものが野生化しているものなのだろうか・・後者の可能性もあるな等考えながら石清水八幡宮ハイキングコースを歩いた。

群生する山藍
石清水八幡宮鳥居