木の布
川から引き上げた楮の皮は日当たりの悪い野原か畑で3日間ほど凍らせる。
よく凍ると繊維がはがれやすくなるそうだ。こういう作業をするにはやはり
寒さが必要。なんだか凍り方が足りないように思う時は、冷凍室に入れてみたりした
でも繊維がうまくはがれるようには思えない。
少しずつ凍って・・・の3日間が大事なのだろうな・・
5 糸に績む
3 皮を凍らせる
こうして作られた白楮は相馬商店さんに集められ、紙漉き業者に出荷されるそうです。
わらで作った枕のようなものに
またがっています。
根元の方から先に向かって
黒い表皮を薄く取り去る作業です
細く裂いた繊維(皮)をつなげて糸にしていく。つなぐ方法はからむしや科と同じように、1本の皮の先を二つにわけ、次の皮の根元をいれ縄状によりを掛ける。
つなげた糸は経糸、横糸に応じて糸車でよりをかける。
楮の木
2 表皮を取り除き、樹皮を柔らかくする
1 楮を切る
蒸しあがった楮の皮は、お年寄りに教わったことを思い出しながら
家での作業となりました。
3 皮と芯とに分ける
柿渋で染めた糸
白くした皮で作った糸
乾燥させた楮の皮を木槌で叩いたり、揉んだりして柔らかくする。
左が裂く前の状態。
(もっと白くしたい場合は前頁のようにナイフで荒皮をはぐ。)
右は柔らかくした皮を細く裂いたもの
4 皮を細く裂く
籾殻があれば皮にまぶし、袋にでも入れてよく踏むと表皮もとれ、皮も柔らかくなる。
籾殻なしで何回か試していたが、籾殻をいれたのが一番成績がいいようであった。
おばさん3人が袋の上で歌ったり、踊ったりしたものだから、楮も上手い具合になったのかもしれない。でも籾殻が皮に食い込むようになり、皮を裂きやすくするのではないかと思ったりした。踏む作業の後、川で汚れを落とし一日川に漬けておく。
(私は大きな容器に水を張り、つけている。)
楮布づくり
2 楮を蒸す
突然お邪魔したにもかかわらず、
親切に教えてくださったお年寄りの女性
この冬の作業を最後に息子さん宅へ
引越したと聞きました。
高齢者が支えている仕事です。
作業所には大きなお釜が
二つあり、束にした楮は
1時間半から2時間ほど蒸します。
初めて楮の布を織ることにしました。
私達の最後の活動記録はなんとしても楮布の表紙にしようと数年前から決めていました。その布は縦、横共に楮の糸を使い、原始機で織ることにしました。経糸の長さ3メートル。糸は細く柔らかくを心がけた苦労の糸です。
(?)経糸にのりをつけるとき、庭の松葉を束ね、先端をカットしたものを使いました。(科織かなにかの本でそんなやり方をしているのを見たので
真似してみました。ずいぶん使いやすい道具(?)です。)
のりを30センチ程つけては、そっと筬を引き、打ち込みの必要なときは刀じょを使うなどして経糸に負担を与えないよう注意して織りました。
でも経糸は何回も切れ、ようやく織り上がったときはほっとしました。何回も洗い、木槌で軽く叩き、完成!無事,, 楮の表紙の記録集が出来上がりました。
6 楮の布を織る
持ち帰った楮の皮(樹皮)を灰汁で煮る。1時間半ほど煮て、繊維が網目状になれば取り出す.この取り出す頃合がなかなか難しい。
西の内和紙の紙すきの店で煮た楮をもらったこたがある。糸になるかと裂いてみたが
煮すぎていてだめであった。初めて楮を煮たとき、あまりにも硬いので、煮方が足りなかったのかと再度煮たことがある。糸には程遠いぼそぼその繊維となった。
それからは1本取り上げ、見て、触って判断するように心がけている。
1 楮を煮る
黒っぽくて荒い外皮を取り除くと、楮布や紙漉きに使える 白い楮の状態となる。
蒸し上がった楮はさめないようにむしろを掛けて、1本ずつ取り出しては
皮と芯にわけます。根元の方を一ひねりすると、先端まで皮が剥がれす。
芯はきれいな黄色をしています。
近傍の女性たちが樹皮はぎの仕事にきており、やり方をおしえてもらいました。
やり終えると楮と一緒に蒸した さつまいもをいただき、身も心もほかほか。
いつ伺っても暖かな気持ちになれる山里の仕事場です。
蒸し上がった楮を取り出すと、
楮の木の甘い香りが漂います。
楮にバケツで冷たい水を掛け、
樹皮を剥がしやすくします。
楮布は次の段階に進みます。
この後、楮の皮は皮の表皮をとる内職にまわされます。
和紙にするのと糸にするのとは、これからの行程が違ってきます。
相馬商店さんから白楮にしているおばあさんの家を教えてもらい帰り道に尋ねてみました。
少し作業を見せていただいた後、表皮取りをさせてもらいました。すうっと一枚の表皮が取れるはずですが・・・熟練者の技はすごいものです。私は何度も何度もやり直し。大事な楮が減ってしまいそう。