1・からむし剥ぎ
- 土用の頃、上下をカットして、おおむね120センチ程度に揃えたからむしを家に持ち帰り水につける (冷たい水が良いとのこと)
- 数時間ないし一晩水に浸しておいたからむしを取り出す。
- 根元の方から3分の2位のとこを手で折り、指を入れて皮と芯を分ける。(からむし剥ぎ)
- 剥いだからむしは根元の方から揃え、一握り毎束にして水につける。
2・からむし引き
からむし盤の左側にからむしをのせ、真ん中あたりにからむし引き板を置く。
- からむしを1本取り、根元から20センチ位の皮の内側に苧引具をあてる。左手に持ったからむしの元をポンと力を入れ苧引具にあて、苧引具を右のからむしの先に滑らせると皮がうまくはがれる。(この皮がうまく取れると後の仕事が楽なのだが、なれるまで時間がかかった。)
- 皮の取れたからむしの繊維をからむし引板にのせ、上の元の方に苧引具をあて、からむしを左手で後ろに引くと残っていた青いのが取れてきれいな繊維になる。(表皮側、裏側、上の元の部分と引く)
- からむし引きが終わると、根元の方を揃えて束ね棒に掛けて干す。
いくらでも細くなります。細さにうっとりしていたら細すぎて、
さっぱり,, かさが増えません。
で・・・いつまでもこのままの状態!
かなりの量です。
ちょっとした"私の夏の日の思い出”.!
(平成3年)
からむしをみつけた!
古代の織を調べるようになって、一番初めに興味を持ったのは からむしでした。
散歩の途中でイラクサ科の植物を見つけたこと、木の繊維より やりやすそうに思えたこと、
古代にはとても一般的な素材であったことがその理由です。私の採った野からむしは繊維も短く、色も茶色。
でも初めての糸作りに無我夢中の私は、草から糸の出来るということに、驚き、感激したものでした。
その時のからむしの糸を横糸に入れて織ったのが、”草の布、木の布”の”野からむしのタペストリー”です。
からむし盤は大きな容器と板で代用。
からむし引き板と苧引き具は夫の手作り
夏はからむしで始まり、からむしで終わるって感じのそんな夏が幾たびか過ぎて・・・・・
この私のからむし畑(?)もその後宅地になりました。
畑を借り、取って来た株を3年程植えてみたりしましたが現在は記念の数株を庭に植えるのみ。
からむしを見るたび、からむし引きに追われた夏の日々を懐かしく思い出します。
(平成6年〜10年)
からむしを採って、糸にするまで
根元から先に向かってからむしの皮を剥ぐ。
7月23日 からむし畑を見学。高原の夏は涼しいかと思いきや、まったく暑い。
人の背より伸びたからむし畑は今が収穫時。私の”野からむし”とは葉っぱの大きさからして違う。
数年毎に株分けすること、5月焼畑をすること、畑に風よけの囲いをすること等、
興味深い説明を受けた。(以下、説明を聞いたり、資料で分かったことの大まかな点を列記します。)
車で走っているとき すぐ近くの空き地にまるで栽培したかのように 元気のいいからむしが
沢山生えているのを見つけました。両脇が家、後ろは竹やぶ。
まるで昭和村のからむし囲いのようです。
土地の持ち主(隣の家)に聞くと、一度春に刈ってお盆前に又刈り取るとのことでした。
許可を得て お盆まで2〜3回刈り取りに通いました。
刈ったからむしは、早く苧引きをしなくてはならず、持ち帰った後は2〜3日必死でからむし剥ぎ、からむし引きをしました。3、4年程そんなことを続け、からむしはダンボールいっぱいになりました。さて、やり切れるかどうか!
- 使う分だけのからむしに湯をかかける。
- 細く裂いた繊維の先の部分をふたつに裂き、その一つに次のからむしの根元を加え
- 縄を綯うようによりをかける。
- 績み終わった糸はひっくり返して根元の方から縒りをかける。
- からむし盤の下に10cmほどの木を入れて傾斜をつける
- 苧引き具をあてたからむしを後ろに引くとよい
- 時々、苧引き具に水をつけると引きやすい
注・・・・からむしは必ず根元を揃え、作業は全て根元から 茎の先へと進みます。